シリーズ2がシリーズ1よりいい場合が偶にある。『ターミネーター2』がそうであったように、本作も同様である。何故か?
『エクスペンダブルズ1』は、主役を演じたスタローンが、脚本も書き、監督も兼ねた、言わば、自己顕示欲作品であった。本作でも、スタローンが共同脚本家とはなっているが、監督は別人のSimon Westになっており、前作では自嘲の自の字もなかった、真面目過ぎるアクション映画であったものが、今回では、ウィンクをしながら、ちょっと皮肉ってみる遊び心がちらちら見えて、単純な殺戮のアクション映画に終わらない、作品に面白味が持たせられている点を筆者は評価したい。
前回の悪役は元CIA局員で比較的印象が薄い感じであったが、今回は、ベルギー人で空手家のJean-Claude van Dammeが敵役でもあり、また、悪役である。彼の、本作での役名が、「Jean Vilain」であり、Jeanは本人の芸名から、苗字のVilainは、l字が一つ多い、アメコミのスーパーヴィランのVillainから採っているのであろう。この遊び心もニクイ。
そして、本作にはヴァン・ダムだけではなく、チャック・ノリスも登場している。ヴァン・ダムの経歴をウィキペディアで読むと、USAに映画俳優になるべくして渡ったヴァン・ダムが下積み生活をしていた時代に世話になっていたのは、ノリスであったと言う。その意味でも、ヴァン・ダムとノリスの共演は、言わば、因縁のあるものである。
役として一匹狼たるノリスはどこからか現れては、どこかへと去っていく。こうして、映画中盤でのノリスの登場は印象的である。アルバニアにある、USAの1950年代かを模した廃墟の町で、ヴァン・ダムの手下共に囲まれ、戦車で追いつめられたExpendables一行は、突然に登場したノリスに助けられる。あっという間に敵をなぎ倒し、戦車を一発で仕留めたのである。何が起こったか、スタローン達が呆気にとられていると、『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲がBGMで流れ、颯爽とノリスが登場する。
ここの場面を監督ウェストが説明している箇所がウィキペディアにあるので、それを引用しよう:
「エクスペンタブルズに対抗するなら戦車しかないと思った。シーンの終わらせ方にも悩んだ。まもなく、あの大物も登場する。彼をどう登場させるかが課題だった、そこで思いついたのが、これだ」「なぜか悪党どもが全滅。彼らは、機動部隊か殺人集団が関与したのだと考える。そこに姿を現すのがチャック・ノリスさ、伝説の男らしい登場シーンにした」「ただバーに現れるぐらいじゃダメだ、堂々たる大げさなシーンでないとね。これなら彼に、ふさわしい。一人で集団を葬った男が硝煙の中から姿を現す、チャック・ノリスなら可能だ」
そして、ノリスが登場するということであれば、当然、「チャック・ノリス・ファクト」がなければならない。そこで監督は、ノリスに頼んだ。頼まれたノリスは有名な「ファクト」を一つ挙げる。それが、スタローンとのやり取りで映画上に実際に登場する:(以下、ウィキペディアからの引用)
Stallone: "I heard another rumor that you were bitten by a King Cobra?" (スタローン:「キングコブラに噛まれたと噂で聞いたが?」
Norris: "yeah I was, but after 5 days of agonizing pain...the cobra died" (ノリス:「ああ、その通りだ、5日間もがき苦しんだ後に...コブラは死んだ」)
この場に居合わせたExpendables達は、一様に微笑み、笑いあったスタローンとノリスはハグしたのであった。(映画の55分台から56分に掛けてのシーン)
このように、本作ではハードなアクションの合間に遊び心が垣間見られて、中々よろしい。この点、シュワちゃんとウィリスとの間の、若干自嘲がこもったやり取りも筆者が本作を好ましく思う理由の一つである。
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