2026年7月7日火曜日

ザ・コア(USA、2003年作)監督:ジョン・アミエル

 地球の中心へ向かう使命ということであると、SF冒険小説の生みの親の一人であるフランス人のジュール・ヴェルヌJules Verneの小説『地底旅行』(1864年作)が思い出される。『地底旅行』を原題にすると、『Voyage au centre de la terre』であり、意訳すると、『テラのセンターへのヴォアヤージュ』ということになろうか。本作に合わせて言うと、つまり、「地球の核への旅」である。

 この原作を少々ファンタジー映画的に1959年に映画化したものが、USA映画『Journey to the Center of the Earth 地底探検』(Henry Levin監督、ジェームズ・ジェイソン主演)であり、これは、SF映画と言うよりは、冒険映画と言うべきストーリー設定であった。この映画を、よりSF的に引き戻し、更に、現代風のストーリー展開にしたものが、本作であると言えようか。『The Core』とは、「地球の核」のことである。

 地球物理学の専門家から見る本作のストーリーは、「人を馬鹿だと思っているような映画物理学」を以ってするものであり、「映画史上最悪の物理学映画」の「栄誉賞」を与えられていると、ウィキペディアには書いてある。しかし、地球物理学に疎い筆者には、「なるほど、これもあり」という感じで、それ程、違和感もなく最後まで見られたのである。次から次へと「危機」が訪れるストーリー展開で、人類を救おうという意気込みの、アストロナウトならぬ、Terranaut テラナウトが一人一人と亡くなっていくのにも伴なって、本作は、展開のスピード感を以って、飽かずに最後まで観られた次第である。

 監督は、Jon Amielという、ロンドン生まれのイギリス人であり、本作を単なるアクション冒険ものに終わらせてはおらず、とりわけ、極めて「人間的、余りに人間的な」Dr.ジムスキー(Stanley Tucci スタンリー・トゥッチ)の人物像は、本作のストーリーを平板な冒険映画に終わらせていない。しかも、彼は、USA国防総省ともつながりがあり、「デスティニー計画」にも関わっている人間なのである。本作終盤のストーリー展開でこの計画は暴露されるが、それは、痛快でもあり、また、現在のトランプ政権下でのUSAの政治状況を鑑みると、必要な「市民的抵抗」であるとも思われる。

 さて、地中の奥深くから排出される「ヴァージル」艇を観ていて、1966年作のSF冒険映画『ミクロの決死圏』を思い出した方はいたであろうか。それは、地球ならぬ、人体であった。

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ザ・コア(USA、2003年作)監督:ジョン・アミエル

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