本作は、吸血鬼界と人間界とに隔断されているご両人、エドワードと、美女BellaことIsabellaイザベラの、『ロメオとジュリエット』の恋物語にもまさる、永遠(とわ)を賭けたティーニー・ラブ・ロマンスである。
吸血鬼ものとしては、本作は、内容的には別に何も目新しいものを提供するものではないが、エドワードとその、「パッチワーク」一族は、人間の血を吸うことを自らの意志で拒む、そして、そこに「克己の徳」を自らに課している点で、目新しく、誠に興味深い。これは、謂わば、動物的存在が持つ「肉欲」を自制していることにもなるが、また、彼ら自身が、「ヴェジタリアン」と自称しているところに、原作者のウィットを感じるのは筆者だけであろうか。
さて、いつからか、どんな理由でかは知らないが、性の自由主義に対抗して、婚前交渉を拒みながら、結婚にゴール・インしようという「清純主義」の若者たちが2000年代から増えていたという。今もそうなのかは分からないが、この点を鑑みると、この傾向は、上述のエドワードの自己抑制の態度と似ており、実際、映画の中でも、恥じらいながらのファースト・キスの後に、むしろ積極的なベラに対して、その誘惑に負けずに自ら「Stop!」を掛けたのは、エドワードであったことも、注目に値すべき点であろう。この意味で、本作、時代の流れをうまく衝いたことが、本作のヒットの原因ではなかったかと、筆者は密かに察するものである。
スタッフの顔ぶれを見ると、本作では、女性が要所を占めているのが興味深い。まずは、監督がCatherine Hardwicke、脚本がMelissa Rosenberg、同名の原作はもちろん女性作家のStephenie Meyerである。さらに、キャスティングであるが、ツンデレ役で、好奇心の強いBella役にKristen Stewartを、どこかにインテリジェントでシャイなところを見せながらも、野性的な魅力を持つエドワード役にRobert Pattinsonを、少々「とんでる」ピッチャーのアリス役にAshley Greeneをと、その他の役柄でもその妙が冴えている。調べてみると、キャスティング担当は、Deborah AquilaとTricia Woodの女性のお二人である。
という訳で、本作、名作とは言えないまでも、その後の『トワイライト・サーガ』の礎石を築いた作品として、また、2000年代の、ある社会的傾向を反映したものとしても、映画世界史事典に取り上げるべき一項目となった作品であることには間違いないであろう。
吸血鬼ものとしては、本作は、内容的には別に何も目新しいものを提供するものではないが、エドワードとその、「パッチワーク」一族は、人間の血を吸うことを自らの意志で拒む、そして、そこに「克己の徳」を自らに課している点で、目新しく、誠に興味深い。これは、謂わば、動物的存在が持つ「肉欲」を自制していることにもなるが、また、彼ら自身が、「ヴェジタリアン」と自称しているところに、原作者のウィットを感じるのは筆者だけであろうか。
さて、いつからか、どんな理由でかは知らないが、性の自由主義に対抗して、婚前交渉を拒みながら、結婚にゴール・インしようという「清純主義」の若者たちが2000年代から増えていたという。今もそうなのかは分からないが、この点を鑑みると、この傾向は、上述のエドワードの自己抑制の態度と似ており、実際、映画の中でも、恥じらいながらのファースト・キスの後に、むしろ積極的なベラに対して、その誘惑に負けずに自ら「Stop!」を掛けたのは、エドワードであったことも、注目に値すべき点であろう。この意味で、本作、時代の流れをうまく衝いたことが、本作のヒットの原因ではなかったかと、筆者は密かに察するものである。
スタッフの顔ぶれを見ると、本作では、女性が要所を占めているのが興味深い。まずは、監督がCatherine Hardwicke、脚本がMelissa Rosenberg、同名の原作はもちろん女性作家のStephenie Meyerである。さらに、キャスティングであるが、ツンデレ役で、好奇心の強いBella役にKristen Stewartを、どこかにインテリジェントでシャイなところを見せながらも、野性的な魅力を持つエドワード役にRobert Pattinsonを、少々「とんでる」ピッチャーのアリス役にAshley Greeneをと、その他の役柄でもその妙が冴えている。調べてみると、キャスティング担当は、Deborah AquilaとTricia Woodの女性のお二人である。
という訳で、本作、名作とは言えないまでも、その後の『トワイライト・サーガ』の礎石を築いた作品として、また、2000年代の、ある社会的傾向を反映したものとしても、映画世界史事典に取り上げるべき一項目となった作品であることには間違いないであろう。
追記:
映画の中盤で、エドワードとベラとが交わす会話は、ひょっとして後世に残る名言かもしれない:
エドワード:そんなにも獅子は、子羊との恋に落ちた。
ベラ:なんてお馬鹿さんな子羊!
エドワード:なんて病に冒されたマゾヒスティックな獅子!
映画の中盤で、エドワードとベラとが交わす会話は、ひょっとして後世に残る名言かもしれない:
エドワード:そんなにも獅子は、子羊との恋に落ちた。
ベラ:なんてお馬鹿さんな子羊!
エドワード:なんて病に冒されたマゾヒスティックな獅子!
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