Our love affair is a wondrous thing
That we'll rejoice in remembering
Our love was born with our first embrace...
と始まるテーマソング。タイトルバックがニューヨークのどこかの雪景色の公園で、画面の左側にはエンパイア・ステート・ビルディングが見える、そんなタイトルバックに合わせて、男性歌手Vic Damoneが熱唱するテーマソングが流れる。こうして始まる本作は、既にお互いに婚約者がいる男女二人の一目惚れの恋Love affair ラヴ・アフェアーを高らかに謳いあげる。その恋の奇跡は、地中海行きの豪華客船の船上で、Cary GrantグラントとDeborah Kerrカーとの間で起こったのであった。正に運命的出逢いである。
船上での二人のやり取りと回りの反応に少々コメディー・タッチが入るのがいい。本作では日焼けした、ロマンスグレーのC. Grantは、戦前にはコメディー役者としても活躍しており、本作のラブロマンスでもその味がよく出ている。
船旅の途中、船が立ち寄るフランスのリヴィエラの町ヴィルフランシュの、内陸の丘から見下ろす地中海の眺めが素晴らしく、ここでも最初のテーマソングのメロディーがピアノ伴奏で奏でられる。映画の終盤、二人がN.Y.に着いてしまうと、本作は若干つまらないメロドラマになるのであるが、あるナイトクラブで、Deborahデボラが歌うテーマソング(実は、上手く歌う真似をしていて、本職の歌手Marni Nixonニクソンが吹き替えをしているのであるが)は印象的である。CinemaScopeの画像に、青みがかった緑色のスカーフにDeborahの、赤毛色が入ったブロンドの髪がよく映え、このカラー・コンビネーションが映画内の随所に出てくるのも一興である。
同じテーマソングを観る者は、今度は四回目にエンディング・ロールに合わせて聴く。場面は最初のタイトル・ロールと同じシーンで、雪が降っている。なぜなら、ラスト・シーンの日時は、クリスマス・イヴの次の日、欧米では、クリスマスの祝日の第一日目である。つまりは、この年のクリスマスは、ホワイト・クリスマスであったということになる。という訳で、クリスマスのシーズンに合わせて、彼女・彼氏とどっぷりと恋愛気分を味わいたい方には本作は、正に打ってつけの作品であることには間違いない。それと、最後は涙腺が止まらなくなるので、どうぞハンケチをお忘れなく。
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